この度しだみ歯科では2021/7/21に発売されたばかりの機材を導入致しました
その名も「ルートZX3」です
こちらの機械は何をするものかというと
・歯の神経の治療の際に1本1本異なる歯の根の長さを測定します。
・感染が起こっている歯髄を焼灼する事により病変因子を除去します。
・電気メスとして使用する事で歯肉の出血を止め、型取り時の精度が上がります。
簡単に言うと歯の神経の治療を行う際に、治療の成功率を上げるために使用する機器です
☆細いチップを歯の根に挿入し、高周波モジュールを用いて通電させることで感染歯髄を焼灼します
ルートZX3を導入する事で患者さんへ具体的にどの様なメリットがあるのか、これから詳しく説明していきます
まずは歯の構造を簡単に説明します
歯の構造
歯の表面はエナメル質という組織で、このエナメル質は人体で一番硬い組織です
その下には象牙質という組織があり、象牙細管という細い管が無数に中を通っています
更にその中には歯の根っこの先まで『歯髄』という組織が通っています
※歯髄は俗に歯の神経と呼ばていますが、実際には血管・神経・リンパ管等が含まれます
抜髄とは
むし歯が進行していくと歯髄にむし歯菌の感染が広がってしまいます
この状態がC3と呼ばれる状態で、熱いもの冷たいものが染みたり、何もしなくてもズキズキとした強い痛みを感じたりする事が多いです
C3までむし歯が進行してしまうと感染を起こしている歯髄を除去しなければなりません
この治療の事を歯科では『抜髄(バツズイ)』と言います
抜髄には一般的にファイルやリーマーと呼ばれる細いドリル状の針のような器具を使用します。
☆ファイルやリーマーと呼ばれる器具で長さ・太さ・材質別にたくさんの種類があります!
歯の構造の図ではまっすぐ1本の歯髄が通っているように見えますが、実際は湾曲していたり側枝と呼ばれるように細かく枝分かれをした状態だったりと、感染歯髄を完全に除去する事は容易ではありません
抜髄の成功/失敗とは
神経の治療の成功とは『再発しない事』です
近年では治療器具の質の向上やマイクロスコープ・拡大鏡の普及により歯の神経の治療の成功率は向上しているとされています
しかし目視できない場所に感染歯髄が有ったり、歯の根が湾曲しており感染歯髄に治療器具が当らなったりといった原因で感染歯髄を除去しきれない場合に再発する確率が高くなります
特に一度抜髄をした後に再発してしまった歯の神経の治療は成功率がぐっと下がる傾向にあります
この様に歯の神経の治療は感染の原因を徹底的に除去できたかによって予後が変わってきます
歯の神経の治療を再発の度に行っていると歯が薄くなり割れてしまったり、最終的には歯を抜かなければならなくなってしまうのです
そんな時にルートZX3
抜髄時にルートZX3を使用すると具体的に何が良いのかをご説明します
通電を行うとチップの周囲1mmまでの範囲を焼灼することが出来るので、形態的に器具が届かない所にある感染歯髄を熱で変性させる事が可能になります
ファイル等の器具で除去できない場所にある感染箇所を焼灼して殺菌することで再発を防ぎます
ちなみに人体が痛みを感じる電圧は3000V~と言われていますが、ルートZX3の放電はその10分の1程度の為、放電で痛みを感じることはほとんどないと言われています
更にしだみ歯科では歯の神経の治療にPOICウォーターという次亜塩素酸水を用いています
POICウォーターは高い安全性と強力な殺菌力が特徴で、歯周病予防のケア用品として販売も行っておりますので、詳しくはコチラのページをご覧ください
まとめ
歯科で使用している材料や機械は様々なメーカーにより日々改良が行われていますしだみ歯科では患者様により良い歯科医療を提供できるように、常に新しい製品の情報をキャッチして法人内・関係歯科医院間で情報共有を行っています
歯の神経の処置を繰り返している・・・
という方は是非一度ご連絡下さい